続・今月の健康情報

2015.8.20

残暑の中、そろそろ夏バテを感じる頃でしょうか?夏バテ対策について
@冷たいものの摂りすぎは食欲低下の主因とも言えますのでご注意を。
A簡単な麺類に偏るのは禁物です。タンパク質、ミネラル補給を考えたメニューを摂りましょう。
Bビタミンも忘れずに!緑黄色野菜や果物をたっぷりと、、、
特にB1は消費が激しく、ゴマ、ほうれん草、玄米、大豆、豚肉、ウナギなどに豊富です。
C酸味や香辛料の類で食欲増進に努めましょう。柑橘類のクエン酸、カレーなどが代表選手です。
D質の良い睡眠も忘れずに!

2015.6.10

先日も患者さんから質問のあった健康食品について少しお話を、、、
アントシアニン配合の健康食品の件。第二次大戦中にイギリスのパイロットにより
ビルベリージャムを食べて飛行機に乗り込み、「暗がりでも敵機をよく確認できる。」と発言した。
このことから、戦後になりフランス、イタリアで目をよく使い酷使する夜間労働者のドライバー、
パイロットでその効力のテストが試みられ、研究が進むこととなった。
1970年代半ばにはイタリアでビルベリーからの抽出物、エキスが眼によいこと、また
循環機能を改善するとし認められて以来、ヨーロッパで医薬品として承認(含有約6種)を受けています。
確かに近年、日本でも健康食品素材として利用され、抗酸化作用による研究が進められています。
暗視力改善に効果が見出され研究され、ロドプシン(視紅素)の視物質の再合成を促進、
活性化させることが分かっているといわれていますが、いずれも大規模臨床試験とは言えないレベルです。
前向きな研究ではまだ医薬品として認められるに足りない部分がありますので過信しないでいて下さい。

2015.4.12

最近も当院で質問がありましたサプリメントや健康補助食品といわれるもの、、、いろいろありますが、
まだ内服で思ったところにしっかり到達し効果を出しているという証拠のあるものは少ないのですが、
現在、研究が進められているものには内科的に期待されているものもあります。
わが国で成人の4〜5人に一人が発症するといわれる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)。
地元の金沢大学等、北陸エリアでも食品由来のカロテノイドであるアスタキサンチン等が
有効と考えられるデータを報告しています。 NAFLDは単純性脂肪肝と脂肪性肝炎(NASH)に分けられ、
脂質過酸化亢進を介した炎症、線維化によりNASHがおこります。
単純性脂肪肝に比べNASHの予後は不良で、5〜20%が肝硬変に進展すると言われています。
NASHへの進展にはインスリン抵抗性や過剰な酸化ストレス応答が関与するようですが、
これまでインスリン抵抗性改善薬といわれる薬剤は、NASHへの進展抑制効果が乏しいとの分析でした。
金沢大学等では果物、野菜、魚介類に含まれ、抗酸化作用や
炎症抑制効果が見込める食品由来のカロテノイドに注目。
わが国で開発されたアスタキサンチンを利用し肝内細胞の活性・線維化抑制作用を確認。
臨床応用を開始しています。まだ保険診療として確立していませんが、補助食品として利用が可能です。

2015.2.15

先月に引き続き、脳卒中発症後の方の4種の運動メニューについての推奨概要です。
 @有酸素運動:具体的にはウォーキング、自転車エルゴメーター、上肢エルゴメーターなどで
最大酸素摂取量の40〜70%、最大心拍予備能55〜80%、主観的作業強度(RPE)11〜14、
1回あたりの持続時間は20〜可能なら60分、ウォームアップ・クールダウンにはそれぞれ5〜10分かけ、
歩行効率、自立性向上、認知機能改善、心保護効果への波及を期待できます。
A筋力・筋持久力運動:レジスタンス運動、サーキットトレーニング、機能的運動など
主要筋群を使う運動を10〜15回反復を1セットとし1〜3セットを
最大反復回数の50〜80%の範囲で行うことを週2〜3回
B柔軟体操:体幹、上下肢のストレッチなど。上記2種の運動前後に週2〜3日行い、
肢位は10〜30秒保持するようにする。可動域の拡張と拘縮予防、傷害リスクの低下が期待できます。
C神経筋協調運動:平衡運動、強調運動、太極拳、ヨガなどを週2〜3日行うことで平衡機能の改善、
生活の質の向上が期待できます。

2015.1.26

当院でも拝見する脳卒中発症後の方、2014年に米国心臓協会(AHA)と米国脳卒中学会(ASA)は
共同で運動の利点とその推奨に関する声明を行っています。この中で組み込むものとして
@低〜中等度の有酸素運動A筋強化運動B椅子などに腰かけてじっとしている時間の短縮
C脳卒中再発予防のための危険因子管理を強調しています。具体的には発症数日の急性期であっても
安静臥床は最小限で、間欠的に座ったり立ったり、座ったままの運動、低強度の歩行
などのメニューを推奨。強度は心拍数が10〜20増加する程度、
主観的作業強度と言われる指標が11以下に収まる程度としています。入院中はもちろん、
外来通院になった後も継続的な有酸素運動、筋力、筋持久力運動、神経筋協調運動の4種が推奨され、
その頻度は少なくとも週3回、1日当たり20〜60分を目標としています。
これらが運動調節機能低下、嚥下性肺炎、起立失調、抑うつを予防し機能回復や認知障害評価に
役立つとしています。発病後に限らず運動は長期にわたって継続できることが大切です。
次回はそれぞれの更に具体的な運動内容についてコメントします。

2014.12.30

本格的な冬になりましたが天候に左右されて、より屋外での運動が難しくお感じでしょう。
しかしお部屋でできる運動もありますのでご紹介します。
@床に膝立ちから片膝立ちの姿勢で左右とも膝が90度になるように構えます。両手を体の前に伸ばして手を合わせます。3秒ほどかけて上げている足の側にウエストをひねり、ゆっくりと元に戻します。片側15回で足を変えて反対も同様に行います→体に軸を作ると共にウエストまわりをすっきり整える効果が期待できます。
A足が固定されている椅子に浅く腰掛け、姿勢はまっすぐに保ち、手は椅子の両側を持つか肘掛があれば肘掛を持ちます。片足を前に伸ばし足の前面、伸筋群を意識し可能なら足の付け根から持ち上げるようにします。左右一日15回ずつ→腹横筋と大腿伸筋群に効果があり階段の上りなどに効果があります。
Bうつぶせ寝の位置から両手をお尻にあて肩甲骨を寄せるように上体をそらすよう意識します。約1〜2秒保持しましょう。これを15回繰り返してください→脊柱起立筋と肩首周りの筋肉に効果があります。
それぞれ無理のない範囲で行ってください。いずれも歩行や姿勢に役に立つ運動です。習慣づけて冬季も痩せやすい体質を目指しましょう!

2014.11.15

これからの季節にしもやけの予防策などを、、、人によっては厳しい寒さでしもやけに悩まされる冬。
しもやけの正式名称は凍瘡(とうそう)と言います。原因は寒暖差と皮膚の表面温度と言われています。
昼夜と室内、屋外の気温差、元来の冷え症や種々の疾患による末梢循環障害の悪化、
一部遺伝性も言われているようですが確定的な遺伝子型は不明です。暖めると痒くなるのは、
収縮していた末梢血管が拡張して元に戻る際、皮膚に分布している他の組織を圧排してしまい、
皮下組織にある肥満細胞(アレルギー関連の細胞)からヒスタミンという痒みの物質が押し出されて、
神経がその刺激をかゆみとして伝えてしまうからです。あまり体積変化がひどい時は神経を直接圧迫して
痛みとして感じられる事もあります。予防策としては体を長時間冷やさない。
末梢部分は特に持続的に濡れた状態を避けるようにすることです。
またビタミンEが不足した状態では末梢循環障害が起きやすいので、たらこやウナギ、小麦やアーモンド、
ほうれん草やモロヘイヤ、レタス、医療用ではトコフェロールという成分を含むカプセル剤や
血管拡張薬を使う場合があります。

2014.10.15

新たに始まりました肺炎球菌ワクチンについての情報です。
肺炎球菌とは高齢者の3〜5%が喉の上に保菌しており、唾液等による飛沫感染をおこします。
成人の一般的な肺炎の原因菌として20〜40%を占めます。血液への侵入による侵襲性感染としては
5歳未満と60歳以上で多く、致命率は5歳未満の0.31%に対し60歳以上では10.39%です。
現在接種用として使用されているのは93種の肺炎球菌血清型のうち、
成人の侵襲性感染の原因の約7割を占める23種の血清型が含まれております。
平均年齢85歳の介護施設入所者1006例を対象とした偽薬との比較試験で
全肺炎と肺炎球菌性肺炎による死亡を有意に減少させたという研究(BMJ2010;340:c1004)と
厚労科研の65歳以上786例の1年間の全肺炎による直接医療費の有意な減少などが示された、
平成20年度総括・分担研究報告書等から接種が支持されました。対象の方は是非ご検討を、、、

2014.8.13

今回は先月お知らせしたロコモティブシンドロームの簡単な検査法 7つのロコチェックについてです。
(2009/10/15改訂)
1)片足立ちで靴下がはけない。2)家の中でつまずいたり滑ったりする。
3)階段を上るのに手すりが必要である。4)横断歩道を青信号で渡りきれない。
5)15分くらい続けて歩けない。
6)2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である。
7)家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である。
上記の7項目のうち一つでも当てはまればロコモが疑われます。
この予防運動として開眼片足立ち左右を1分ずつ朝昼晩3回と、股関節を広げる意識を持ったスクワット、
これを4〜8回。片足立ちは両足に比べて2.75倍の負荷があり、
また1分間の片足立ちによって約50分の歩行に相当するというデータもあります。
簡単ですよね?転ばないように是非やってみて下さい。

2014.7.22

ご存知ですか?おなじみのメタボ=メタボリック症候群以外に、
運動器のロコモ=ロコモティブシンドローム、という活動度に大切な概念が提唱されております。
ロコモティブシンドロームは運動器の障害により「要介護になる」リスクの高い状態になることで、
日本整形外科学会が、2007年(平成19年)に、新たに提唱しました。
運動器の障害の原因には大きく分けて「運動器自体の疾患」と「加齢による運動器機能不全」があります。
1)運動器自体の疾患(筋骨格運動器系) 加齢に伴う、様々な運動器疾患。たとえば変形性関節症、
骨粗鬆症に伴う円背、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など。あるいは関節リウマチなどでは、
痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力の低下
をきたします。
2)加齢による運動器機能不全 加齢により、身体機能は衰えます。筋力低下、持久力低下、
反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などがあげられます。
「閉じこもり」などで運動不足になると、これらの「筋力」や「バランス能力の低下」などと相まって
「運動機能の低下」が起こり、容易に転倒しやすくなります。
何か思い当たりませんか?来月はロコモの簡単検査「ロコチェック」についてお話する予定で、、、。
[健康への意識付けのお手伝い]
ライフスタイルの変化に伴い、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病は増加の一途です。
 これらの疾病は虚血性心疾患(心筋梗塞)をはじめとする心臓病、脳血管障害(脳梗塞)など
を引き起こすと考えられます。 早い時期から、専門知識を持った医師に的確な診断を受け、
治療をうけることは、非常に大切なことです。 充実した人生を送るうえで健康であり続けることは
重要であり、そのためには正しい健康管理を理解する必要があり、それと同時にかかりつけ医との
意思の疎通が大切と考えます。
 I invite you to discuss frankly as much as possible, any questions regarding my services or my fees.
 The better medical service is based on a friendly, mutual understanding between doctor and patient.