改・今月の健康情報

2022.7.7

糖尿病:早期介入の重要性
血液検査で血糖値の上昇がみられると、糖尿病或いは、その予備軍と言われます。
2016年の国民健康・栄養調査によれば、この両者合わせると、2000万人が問題を抱えていると推定されています。これは調査の始まった1997年からすると倍増しており、ついては合併症である目、神経、腎臓の障害や、心筋梗塞や脳卒中などの血管の事故での死亡率の増加(血糖が正常の人の2.2倍:Impaired Glucose Tolerance Is a Risk Factor for Cardiovascular Disease, but Not Impaired Fasting Glucose,=Diabetes Care,Volume22、No.6、June 1999.)の危険があります。
2002年に発表された、米国での糖尿病予防プログラムの研究では、糖尿病予備軍の人に週150分の運動+食事療法で、5〜7%の体重減少を達成できた群では、3年後に何もしなかった人の群より58%も糖尿病到達を回避できたとの報告があります。
また、医師の間で有名な、英国での糖尿病経過研究(UKPDS)では、糖尿病予備軍或いは、糖尿病早期の段階での厳格な治療介入が、合併症の発症率、死亡率を長期に低下させることを示唆しています。
是非とも自覚症状のない間の、適切な治療、介入をお勧めします。

2019.6.16

タンパク質と筋肉
加齢により筋量が減少し、転倒・骨折を起こし、生活の質が落ちるサルコペニア(加齢性筋肉減少症)、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)は以前にもお話ししましたが、予防としてのタンパク質摂取についてです。
タンパク質は多くのアミノ酸(80個以上)の結合物です。食事で摂ったタンパク質は小腸でアミノ酸に分解され吸収。体の各所で細胞内のDNAの命令により必要なタンパク質に合成されます。筋肉を維持するためには、デスクワークの人なら、体重1kgに対し0.8〜1gのタンパク質が一日量の目安です。体重50kgなら50g/日。運動強度の高い人はその120%〜150%摂取が必要です。タンパク源としては肉、魚は、その重量の20%程度タンパク質が含まれ、卵1個なら6g、納豆1パックは8g、豆腐一丁(300g)で木綿は約20g、絹ごしが約15g、牛乳200mlには7gの含有量です。食パン1枚にも6g、ご飯一膳にも4gの含有量があります。20種あるアミノ酸が配分よく摂取され、初めて筋肉として合成されます。またその内9種は体内合成できない必須アミノ酸ですので、種々の食品を意識的にとる必要があります。尚、吸収できるタンパク質には限界があり、各食事で分散して、摂取カロリーを考慮しながら摂ることが必要です。

2018.7.13

体と石のお話し
体内には石が出来て痛みなどの症状を起こす場合があります。
結石や石灰化と言われるものですが、代表的なものとして胆のう、尿路(腎臓、尿管、膀胱)があります。
原因としては肝臓含めた胆道結石については頻度の高いものはコレステロール結石です。
肝臓では消化を助ける消化液の胆汁が作られ肝内・肝外の胆管を通り十二指腸に流れます。
この時、胆汁は一時的に胆のうに溜められ、濃縮します。肝臓の働きとしてコレステロールを胆汁に溶け込ませ、肝外へ排出する過程でコレステロールが過剰になってしまい結晶化して胆石の元となります。
尿路結石の場合は頻度の高いものとしてシュウ酸カルシウム結石があります。シュウ酸は肉類などに含まれカルシウムと結合しやすく、本来便中に排出されるべきシュウ酸が過剰になると尿中に析出します。
症状としてはいずれも腹痛、背部痛のほか、肩痛や吐き気などで現れる場合があります。
簡便な検査として当院院長が得意とする超音波=エコー検査があります。
思い当たる症状のある方は是非一度、ご相談ください。

2018.5.13

老化物質(AGEs)について
AGEsとはAdvancedGlycationEndProductsの略で終末糖化産物と訳されます。
タンパク質の糖化反応によって作られる生成物の総称でお肌、認知症、血管病変、骨粗鬆症、白内障などの原因とされ、関心が高まるアンチエイジングの敵としてメディアでも見るようになりました。
体内のAGEsは血中の糖が過剰になると細胞や組織を作っている蛋白に糖が結びつき、発生します。
体外のAGEsは食品の調理法のうち、揚げる、ローストする、焼く、などの高温で水を使わない調理法の際に増加します。
コラーゲンの糖化は肌では紫外線の影響と合わさりシワ、たるみ、シミ、くすみとなり、血管では動脈硬化から脳梗塞、心筋梗塞につながります。
骨では骨粗鬆症、目のクリスタリン蛋白に影響すれば白内障となるわけです。脳内のタンパク質の糖化ではβアミロイドが産生され老人斑をつくり認知症の原因となります。
さてAGEsを溜めないためには、過剰な糖分、炭水化物、既に体外のAGEsを多く含む食品である加工肉、クリーム、マーガリンを避けること。逆に少ない食品は全粒穀物、野菜、果物です。A・C・E等のビタミン類、ポリフェノール、カロチノイド類は抗酸化作用で、調理法では低温でゆでる、煮る、蒸すはAGEsの発生を少なく抑えられます。
小さいことからアンチエイジングに心がけましょう。

2013.8.20

院長の専門領域である、循環器疾患について
循環器科とは、心臓、血管に関する内科領域を指します。
代表的な病気としては高血圧が最も有名でしょう。では血圧の高いことの何がいけないのでしょうか?
高血圧を放置すると全身の血管に動脈硬化が進展し、脳、心臓、腎臓などの臓器に障害が起こります。
降圧治療の目標とは、単に血圧を下げるだけではなく、その臓器障害を抑えるのが目的です。
たかが血圧の薬とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、
その患者さんにとっての最適な降圧薬は十人十色です。 自分に最もあったお薬を使うことが大切です。
狭心症、心筋梗塞も代表的な疾患です。 心臓の筋肉を栄養する血管が狭窄するか、
かつ、或いは単独で血管が痙攣をおこし「胸が痛む」状態が狭心症です。
その血管が狭窄、或いは痙攣から閉塞に進展し、
心臓の筋肉が部分的に「死んでしまう」のが、心筋梗塞です。
この両者は複雑に関連しています。
但し、胸が痛む疾患は他にもあります。胸の痛み・・・思い当たる方は是非当院にご相談ください。

2013.6.7

早くも熱中症の季節?
三浦雄一郎さんの80歳という史上最高齢でのエベレスト登頂。 その快挙が連日話題になっていますが、
実は、今回の三浦さんのエベレスト登山には、三浦さんのチームドクターとして、
日本人初の国際山岳医である大城和恵医師が同行していました。
ところでこの大城医師、当院院長の大学同期生です。
大城医師によると、三浦さんは、エベレスト登山の過程で脱水状態になっていたそうで、
補水による脱水対策が大変に役立ったということです。
これからの季節、早め早めの熱中症対策をお勧めします。

2013.5.18

ご存知ですか?
これからを担う、お子さん、お孫さんにもメタボリックシンドロームの基準があります。
小児期メタボリックシンドロームの診断基準(6〜15歳)
・ウエスト周囲径 中学生80cm以上、小学生75cm以上 
 もしくはウエスト周囲径(cm)÷身長(cm)=0.5以上
・選択項目(これらの項目のうち2項目以上)
 トリグリセライド(中性脂肪):120mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール:40mg/dl未満
 収縮期(最大)血圧:125mmHg以上かつ/または、拡張期(最小)血圧:70mmHg以上
 空腹時血糖:100mg/dl以上
となっています。
先日から小学校の健診を3校ほど済ませましたが、少々気になるお子さんもいらっしゃいます。
どうぞ、日ごろの生活習慣の見直しをお願い致します。
[健康への意識付けのお手伝い]
ライフスタイルの変化に伴い、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病は増加の一途です。
 これらの疾病は虚血性心疾患(心筋梗塞)をはじめとする心臓病、脳血管障害(脳梗塞)など
を引き起こすと考えられます。 早い時期から、専門知識を持った医師に的確な診断を受け、
治療をうけることは、非常に大切なことです。 充実した人生を送るうえで健康であり続けることは
重要であり、そのためには正しい健康管理を理解する必要があり、それと同時にかかりつけ医との
意思の疎通が大切と考えます。
 I invite you to discuss frankly as much as possible, any questions regarding my services or my fees.
 The better medical service is based on a friendly, mutual understanding between doctor and patient.